これまでの延長線上にはない「リセット」を|希望の党 代表 小池百合子氏インタビュー

最終更新日:2017年10月18日

これまでの延長線上にはない「リセット」を|希望の党 代表 小池百合子氏インタビュー

 今月10日公示、22日に投開票が行われる衆議院選挙。北朝鮮情勢の緊迫化や消費税率の10%への引き上げ、森友・加計学園に関する追及、希望の党の結党と民進党との合併、立憲民主党の結党など様々な側面から注目を集めていますが、各党は今回の衆議院選挙をどのようにとらえ、どのような戦い方を考えているのでしょうか。(選挙ドットコム編集部)

 選挙ドットコムでは各党に取材を行い、インタビュー動画を掲載するとともに共通して回答のあった項目を要約し、記事化しました。(取材日は10月2日)

-選挙ドットコム編集部

 今回の衆議院選挙における争点は何だとお考えでしょうか?

-希望の党 代表 小池百合子氏(以下、小池氏)

 「しがらみ政治を続けるのか、しがらみから脱却して新しい日本にリセットするのか」です。既得権を死守したい業界団体の言う事ばかりを聞いて、世界から遅れを取っている現状をリセットします。世界を鳥の目で見ますと、日本はガラパゴス化の道を歩んでいるとしか思えないことが山積しています。

 例えば、金融関係。業界団体の自粛・申し合わせで、スマホ決済やフィンテック(編集部注:金融を意味するファイナンスと、技術を意味するテクノロジーを組み合わせた造語)などがなかなか進んでいません。中国では決済はすでにスマホで行っています。またインドも何億もの人々がスマホでの決済を使っています。スマホ決済の方がガソリン代の割引があるなどインセンティブまで付いています。さらには、アフリカのマサイ族も決済はスマホで行っています。

 2020年の東京オリンピック、パラリンピック大会に向けて、今も世界から観光客が来日しています。でもこういったスマホ決済が日本でできないとなると、彼らは困っちゃうわけですよ。せっかくいいお客さんが来ているのに「なんだ、日本は」ということになってしまいます。

 これは1つの例です。受動喫煙対策を含め、細かな政策の話だけではなく「しがらみのない政治に向けて、私たちに任せて頂戴!」と言わせていただきます。

-選挙ドットコム編集部

 若い世代は投票率も低く、政治に無関心だと言われます。政治が「若者に向いていない」との声もありますが、どのように思われますか?若者に向けた政策やお考えなどございますか?

-小池氏

 最近若者に「あなたはどんな仕事がしたいですか?」、あるいは「どんな会社・職種に就きたいですか?」と尋ねると、会社名をあげるのではなく、エンジニアや看護師など職業の名前をあげるのでもなく、「正社員になりたいです」と答えが返ってきます。

 いま企業の内部留保は300兆円から400兆円にふくれあがっています。企業の経営者は「何かあった時に供える」とし、さらに内部留保を貯めに貯めています。正社員にかかるコストと内部留保の会計上の考え方はカテゴリが違いますが、私は内部留保に対し、コーポレート・ガバナンスコードの進化や法人税軽減等のインセンティブを検討し、正社員を雇用する企業が増えるようにしたいと考えています。また株主配当を増やすなどで、経済の活性化を図ります。

 また、ライフサイクルそのものを変えていくことも考えねばなりません。「就職活動でみんな同じリクルートスーツを着て、4月に一斉に入社する」というのも日本だけの慣習です。こうした慣習や制度を変えることと同時に、若い人たちの意識を変えるところからスタートしなければなりません。会社も、欲しい人材について「どこの大学を出たか」ではなく「どんな人か」という点のはずです。

 私など、例外中の例外でしょう。19歳で日本から飛び出て、アラビア語を学ぼうとカイロに留学しました。そこで自分のスキルをつけて、その後経済キャスターを務め、国会議員から都知事に転身しました。まずは1つでもスキル、プロフェッショナルな分野を持っていることは大切です。「どこそこの大学を出たから」だけでは、一生は保証されません。ですから、今の若い人たちのために、何にでも挑戦できる環境を作っていくか。ここに取り組んでいきたいと思います。

-選挙ドットコム編集部

 2055年には人口が1億人を割り込むと言われています。その時、日本はどのような社会になっているとお考えでしょうか?

-小池氏

 人口とは国力そのものです。いつも私は「国力の計算式」と言っていますが「人口 +経済力+防衛力」という基礎に「戦略」を掛け算すると、国力になります。特に大切なのは、戦略です。「戦略」には「意志」がないとダメです。例えば、シンガポールは人口わずか560万人程度ですが、しっかりとした戦略・意思があるからこそ、経済成長し、きらりと光っているわけです。

 ですから、まずは人口減少に歯止めをかけねばなりません。そのためにも少子化対策や待機児童対策などに一生懸命取り組んでいきます。

 同時に、みんなが元気で生涯現役で生きられる様な社会づくりも必要です。日本人は働いていると元気でいられる勤勉な人が多い。リタイアしても、元気ですし、もっと働きたいと考える人も多い。あまりシニアに頑張られると、今度は若い人たちの雇用が減るというしわ寄せが起こります。そこで今考えているのは「学び直し」です。

 社会に出ていた人は、その間にさまざまな経験、知恵を得る訳です。その知恵をリタイアした後に活かせる様な環境を作ります。リタイアした後でも、元気な方には、たとえば「シルバーボランティア」で活躍いただくだけでなく、大学で学び直すのも一案です。時には教える側と教えられる側が週毎に交代しても良いと思います。

 私は環境大臣時代にあのクールビズをはじめました。その時に男性から「小池さんね、ネクタイ取るのは楽だから良いよ。でも日本の男の証明はネクタイと名刺なんだよ」と言われました。日本男子にとって、名刺は存在証明なのです。リタイアした人たちは「名刺に肩書きがない」ということを恥ずかしがる人も多い。そこで私は、名刺ではなく学生証を持つようになって欲しいと考えています。いわば100歳まで学べる「100歳大学」です。

 リタイアした後に、病院に行くよりも学んでいる方が、元気で楽しい人生になるでしょう。シルバーパス代わりに、学割で交通費を楽しむのもよいでしょう。そのぶん、社会保障費も削減できます。私がいつも言っている「リセット」とは、これまでの延長線上にはない考え方です。100歳大学などは、まずは東京都で行い、日本中のモデルにする。国政で時間のかかることを、都政で実現する。国政に改革の仲間を送り、シナジー効果を確保して、スピード感あふれる新しい日本作りに邁進してまいります。

※インタビュー動画本編では、上記の回答の他、小池都知事が掲げる「リセット」や「人生100年時代の学びなおし」等についてもお話いただいています。ぜひあわせてご覧ください。

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2017/11/18付け