衆院選、あなたの選挙区変わってるかも? 過去最大規模の区割り変更

最終更新日:2017年10月7日

画像:朝日新聞

衆院選、あなたの選挙区変わってるかも? 過去最大規模の区割り変更

 10月10日公示、22日投開票の衆院選。突然の解散から希望の党の誕生、民進党の分裂……と選挙戦の構図がめまぐるしく変わっていますが、一票を投じる選挙区の区割りが過去最大規模で変わるのも大きな特徴です。都市部と過疎地の「一票の格差」を是正する措置ですが、19都道府県97選挙区での変更に同じ自治体でも選挙区が割れ、担当者は周知に一苦労。選挙区が前回と変わっている可能性があるので、有権者の私たちも注意が必要です。(withnews)

19都道府県97選挙区の区割りが変更

区割りが変わる19都道府県=朝日新聞

 衆議院の選挙制度は、小選挙区比例代表並立制です。解散前の衆院議員は「小選挙区」で選ばれた295人と、全国11ブロックごとの「比例区」で選ばれた180人がいました。

 このうち小選挙区とは、全国に295あった選挙区から地域代表1人を選ぶ仕組み。この選挙区の線引きが今年6月に見直されました。対象は19都道府県の97選挙区。全体の3割ほどにあたり、東京はなんと25選挙区のうち、21選挙区で区割りが変更されます。総務省のホームページで変更点を掲載しています。

 合わせて議員も「定数削減」され、小選挙区が6人減り289人に、比例区が4人減り176人になります。衆院議員の定数は、この10年ほどで500人から475人に減り、この選挙で465人になります。

小選挙区では立候補できない議員も

 選挙区は、住所地によって決まります。区割りが変わるということは、政治家にとって、投票をお願いする相手が変わり、これまでとは違う場所で、違う有権者に選挙活動をするということ。

区割り変更で新たに編入された地域で街宣車から手を振って支持を訴える立候補予定者=札幌市西区、朝日新聞

 候補者は多くの有権者に投票用紙に名前を書いてもらわないと当選できないので、まさに死活問題です。さらに小選挙区が1ずつ減る青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県では、前回当選した候補者が小選挙区では立候補できず、比例区の単独候補に転出するケースも出ています。

 一方、有権者にとってもなじみのない顔が候補者に。「今回は、誰に入れればいいのか。本当に難しい」と戸惑いの声が上がっています。

2倍超の「一票の格差」は違憲状態

 なぜこうした「区割り」の変更を行うことになったのか。それは、都市部の選挙区と地方の選挙区の間の「格差」を近づけるためです。

 現在の選挙制度になって以降、有権者数が少ない過疎地の選挙区に比べ、都市部の選挙区は有権者一人の「一票の価値」が軽く、不平等だ——。

前回衆院選後の一票の格差訴訟。パネルを掲げて東京高裁へ入る原告の弁護士ら=2014年12月15日、朝日新聞

 こんな訴えが国政選挙のたびに各地の裁判所にたびたび提起され、一票の格差が2倍を超えた直近3回の衆院選については、最高裁からいずれも「違憲状態」だと指摘されてきました。

 司法の判断を無視して見直しをしないまま次の選挙を行うと、選挙結果自体が憲法上、有効なものにならないおそれがあるため、国会自らが、自分たちの「選ばれかた」を見直す必要に迫られたのです。

105自治体で選挙区が分割

 そのためには、選挙区どうしの「一票の価値」を近づけなくてはいけない。選挙区の有権者数を調整するため、「区割り」の変更が行われることになりました。

 区割りをする限り、一つの選挙区内の有権者の数をぴったり一致させることはできないので、ある程度の不均衡はしかたないとして、「違憲」な状態にあるかどうかを判断する目安としてきたのが「格差2倍未満」でした。

 2倍未満におさえるには、都会の選挙区をよりこまかく分割して定数を増やすか、地方の選挙区を今よりもっと広くする必要があります。選挙区ごとの「格差」を縮めることを優先してつぎはぎし、2020年の将来推計人口をもとにした一票の格差は最大1.999倍になりました。その代償に、自治体の境界を無視して別々の選挙区に分かれることになった市区町は全国で過去最多の105に上ります。

 例えば70年間「東京1区」だった新宿区は、約3万7千人の有権者が10区に移ることになります。区割りが変わる自治体の選挙管理委員会では、有権者が投票先を間違えないようにする対応にも追われています。

数年後にはまた見直し?

立候補予定者説明会に集まった陣営関係者たち=大阪市中央区、朝日新聞

 候補者にも有権者にも選管にも大きな影響を与える区割り変更。しかし、今回せっかく新しい選挙区を決めても、有権者になじむ暇もなく、数年先の衆院選ではまた、区割りの見直しが行われる可能性があります。

 2015年の国勢調査をもとに、将来の有権者数を推計して「2倍未満」になんとかおさえたのが今回の区割り。

 ですが、2022年以降の見直しでは、人口比に応じて都道府県に議席を配分する「アダムズ方式」の導入が検討されているのです。

 このように様々な変化が起きている選挙制度。「区割り」については、そもそも「2倍」の是正にこだわることが妥当なのかどうか。人口比で切り離したりくっつけたりという小手先の区割りの見直しが議員の選びかたとしていったいどうなのか——。

 私たちの代表である議員の選び方は、民主主義の根っこ。議員の働きぶりをチェックするだけでなく、その選び方の土台についてもしっかり考えていきたいです。

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2017/12/18付け