解散より前に自民党総裁選か 出馬に鼻息荒い町村氏の足元
2012年2月23日 週刊文春
メモを棒読みするだけで四苦八苦の田中直紀防衛相で早くも躓(つまず)いた野田政権。内閣支持率も政党支持率も低下の一途だ。この体たらくが続けば、次期衆院選で民主党の大惨敗は必至。野田佳彦首相は解散に打って出られないだろう、との見方が永田町で急速に広がってきた。今国会中の解散がないとすれば、選挙の前に自民党総裁選が巡って来る可能性が大きい。党内には、敵失を自民党の支持率アップにつなげられない谷垣禎一総裁への不満が渦巻いており、総裁交代は避けられない情勢だ。
有力候補とされるのは石原伸晃幹事長、石破茂前政調会長、林芳正政調会長代理の五十代トリオ。だが、「確実に手を挙げる有力者が一人いる」と閣僚経験者は指摘する。
“四人目の男”は、森―小泉―安倍―福田と四代連続で首相を輩出してきた最大派閥・清和政策研究会(町村派)の町村信孝会長だ。通産官僚出身で衆院当選十回の六十七歳。〇六年に森喜朗元首相から派閥会長を受け継ぎ、文科相、外相、官房長官などを歴任し、政治家としては五十代トリオより一枚も二枚も上手だという自負が強い。
総裁選出馬を狙うのも今回が初めてではない。安倍晋三元首相退陣後の〇七年総裁選で、町村氏は「清和会会長として責任を果たす」と意欲満々だったが、同派閥の福田康夫氏を擁立する動きが党内に広がり、無念の涙をのんだ。
「次がラストチャンス」と思い定める町村氏は既に派内の親しい議員に決意を伝え、協力要請を始めている。派閥領袖の地位低下を嘆く他派閥会長や、世代交代を懸念するベテラン議員にも横断的に支持を広げ、五十代トリオに競り勝つ。それが町村氏のシナリオだが、派内には「福田さんに譲ったときと同じことになるのでは」と出馬断念の展開を予想する議員もいる。
「町村派の衆院議員十六人のうち、町村氏擁立に積極的なのは細田博之元官房長官ら数人しかいない。ほかは皆、持病の潰瘍性大腸炎を克服し健康不安がなくなった安倍氏をもう一度担ごう、その方が勝ち目があるんじゃないかという意見です」(町村派議員)
このため町村氏は二十七人の所属議員がいる参院清和会に急接近し、会食に招くなど涙ぐましい努力をしているという。総裁選出馬に必要な推薦人は二十人。参院側の出方次第では、最大派閥会長ながら推薦人が集まらないというみっともない事態になるかも。
※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。
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