過熱するふるさと納税「返礼品合戦」 自治体は生き残り競争に

最終更新日:2016年3月21日

画像:アフロ

過熱するふるさと納税「返礼品合戦」 自治体は生き残り競争に

近年、「ふるさと納税」で寄付の見返りに返礼品を導入する自治体が急増し、「返礼品合戦」の様相を呈しています。「ふるさと納税」による税収は自治体にとって重要な収入源となり、自治体間の生き残り競争となっています。

わずか1.6%の自治体が、全体の約35%を受け取っている

総務省の統計によると、上位28自治体へのふるさと納税額は、平成26年度と平成27年度上半期ともに、全国約1800自治体の総額の約35%をも占めており、わずか1.6%の自治体が全体の約35%を受け取っている状態になっています。逆に、ふるさと納税の金額・件数がゼロだった自治体は平成26年度は28市区町村、平成27年度上半期は57市区町村ありました。

ふるさと納税が活発になった、平成26年度と平成27年度上半期の上位5自治体をご紹介すると、こんな感じです。

【平成26年度】     
長崎県平戸市 14.6億円(36,067件)
  佐賀県玄海町 10.7億円(49,778件)
北海道上士幌町 9.6億円(53,783件)
宮崎県綾町   9.4億円(62,991件)
  山形県天童市  7.8億円(58,289件)
【平成27年度4~9月】
宮崎県都城市 13.3億円(101,792件)
山形県天童市 12.2億円 (74,245件)
長野県飯山市  9.6億円 (43,632件)
長崎県平戸市  9.4億円 (22,345件)
山形県米沢市  8.6億円 (16,053件)

【ふるさと納税】自治体間競争の厳しさに背筋が凍りました

財政面から見れば、平戸市の平成27年度当初予算(一般会計)は249億円、都城市751億円、上士幌町は61億円、綾町だと51億円ですから、収入増としてかなり大きなインパクトがあることが分かります。

【ふるさと納税】自治体間競争の厳しさに背筋が凍りました

それぞれに、返礼品を魅力的なものにしてバラエティを増やしたり、使途の明確化や透明化を図ったり、発信の強化やポイント制度の活用、パンフレットの制作、クレジット決済の導入、その他さまざまに工夫を凝らしている自治体ばかりです。

【ふるさと納税】自治体間競争の厳しさに背筋が凍りました

返礼品に他の地域の特産品を取り揃える自治体も

こうした競争の中で、返礼品として他の地域の特産物を用意する自治体も出てきました。

ふるさと納税により「減収」となった横浜市

「返礼品合戦」に参戦せず、本来の「都市と地方の税収格差をただす」という趣旨を貫く横浜市では、市民がふるさと納税で別の自治体に寄付したことによる住民控除額が急増。平成28年度は29億円の「減収」が見込まれています。「減収額を無視できなくなってきたのも事実」としてPR強化を図る事態に。

今後も寄付の増加が見込まれる

平成26年度は13万人による142億円の寄付がありました。27年度からは確定申告不要で控除が受けられる「ふるさと納税ワンストップ特例」という制度も創設され、今後、さらに寄付が増加する見込みです。

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