首相の「日本は裕福」発言から考える 2つの「相対貧困率」

最終更新日:2016年2月8日

画像:Natsuki Sakai/アフロ

首相の「日本は裕福」発言から考える 2つの「相対貧困率」

安倍首相は1月18日の参院予算委員会で、共産党の小池晃氏の質問に対して「日本が貧困かと言えば、決してそんなことはない」と述べました。そのやりとりの中で、厚生労働省と総務省がそれぞれに調査した、数値の食い違う「相対的貧困率」が引き合いに出されました。今回は、2つの相対的貧困率を見ながら、日本の貧困について考えます。


安倍首相と共産党・小池氏が応酬

共産党・小池晃氏は、厚生労働省の2012年の国民生活基礎調査で「相対的貧困率」が16.1%、子供に限ると16.3%に上ったことをあげながら、「6人に1人が貧困ラインを下回る社会。日本が世界有数の貧困大国になったという認識はあるか」と首相に問いました。

これを受けて安倍首相は、2009年に相対的貧困率が10.1%だった総務省の全国消費実態調査を引き合いにだしながら、「日本が貧困かと言えば、決してそんなことはない。1人あたりのGDP等で言えば、もちろん日本は世界の標準で見てかなり裕福な国になる」などと述べました。


※貧困問題については30:45から



「相対的貧困率」をどう見るか


そもそも相対的貧困率とは

世帯収入から子どもを含む国民一人ひとりの所得を仮に計算し、順番に並べたとき、真ん中の人の額(中央値)の半分(貧困線)に満たない人の割合。

相対的貧困率(コトバンク)

相対的貧困率は、単純な購買力よりも国内の所得格差に注目する指標であるため、日本など比較的豊かな先進国でも高い割合が示される。

相対的貧困率(コトバンク)


厚労省は16.1%、総務省は10.1%

「相対的貧困率」は、厚労省の2012年国民生活基礎調査では16.1%、総務省の2009年全国消費実態調査では10.1%となっています。両調査の相対的貧困率にはなぜこれほど差があるのでしょうか。内閣府、総務省、厚生労働省による相対的貧困率等に関する調査分析結果では以下のよう指摘されています。

両調査における相対的貧困率の違いについては、①回収率、②調査系統、③対象母集団、④標本の復元・補正方法の違いといった統計技術的な点が影響している可能性が考えられる

相対的貧困率等に関する調査分析結果について

150 万円未満の所得で生活する 65歳未満の2人以上世帯の割合の違いなどが貧困率の差につながっている可能性

相対的貧困率等に関する調査分析結果について



上昇傾向は一致

両調査は調査方法や調査対象などが異なるため、どちらが正しいとは言えないと指摘されています。しかし、国民生活基礎調査は2000年が15.3%、12年が16.1%、全国消費実態調査は99年が9.1%、09年が10.1%と、どちらも上昇傾向にある点は共通しています。

両調査の相対的貧困率については、どちらの水準が正しくてどちらの水準が正しくないとはいえない。調査が異なれば調査方法や調査対象などが異なるため、そうした点を調整することは難しい。両調査で水準は異なるが、変化の方向が同じであることを踏まえ、両調査をもとに貧困率の傾向をみることでよい

相対的貧困率等に関する調査分析結果について



日本は裕福か貧困か、みんなの意見は

日本は裕福だと感じるかどうかを聞いたYahoo!ニュースの意識調査では2月6日現在、約17万票が集まっており、「裕福だと感じる」が19.9%、「ある程度裕福だと感じる」が34.5%、「どちらともいえない」が16.9%、「ある程度貧困だと感じる」が16.9%、「貧困だと感じる」が11.8%となっています。


裕福とする意見

食べ物は食べれるし病気にかかっても病院に行けば薬をもらえるからすごく裕福な国だと思います。私の中での貧困は食べ物がなく住むところもなく病院もないところです簡単に言うならユニセフのCMに出でくるところです。

下を見たらキリがない。少なくとも内戦がなく、衣食住が足りており、ある程度治安も良く、教育も福祉も医療も公共交通もある。これで裕福でないなんて言ったらバチが当たる。

中立的な意見

裕福の度合いは比べる対象によって異なる。世界には貧困に喘ぐ人が少なくない。先進国も極貧の生活をおくる多くの人々を抱えている。ちなみにオレがガキの頃は、ズボンに継ぎをあててる子どもは普通だったし、おやつはゆで卵だったが、それでも貧しさを感じたことはない。今の人たちが貧しさを感じているとすれば、それは広がりつつある格差のせいなのだろう。

貧困だとする意見

裕福かどうかは相対的なものであり、外国の途上国などに比べれば、日本はやはりかなり裕福でしょう。しかし、日本国内に関しては、所得の格差は確実に広がっているのも事実です。日本国民の2割に近い人たちが貧困層に位置するのが現実です。このことをもってしても、本当に裕福な国と言えるのでしょうか。疑問です。

非正規雇用が多くなり、生活設計がなりたたず、結婚どころか今生活していくことで精いっぱいな若者が多いと感じます。 年金制度もすでに破たんしているにも関わらず、収入のすくない若者にも問答無用的に給与から天引き。将来に夢も希望も見いだせない、社会構造にしたのは、大企業や政治家の場当たり的な事が要因であるにも関わらず、その代償を非正規雇用者に押し付けている国のどこが裕福なのでしょうか。。。。 50年後の日本は崩壊していると思います。



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